稲盛和夫の哲学 人は何のために生きるのか

稲盛さんがどういう人であったか、実際お会いしたことはないのでわからないし、氏に対する評価はいろいろあるようであるが、おそらく経営を含めて自他ともに厳しかった方なのだろうと思う。

書かれていることは至極まっとうで立派なことが多い。非科学的なこともいろいろ書かれているが、100%間違いとも言い切れない。

この本では、人生の目的をよく理解できたような気がして、最近読んだ本の中では自分にとって非常にためになる本であった (他の人にとってはもちろんどう感じられるのかはわからないが)。

人生にとって価値あるものは、現世を生きた時に作り上げた人格、人間性、魂だということだ。「 つまり、人間性を高めるためにわれわれは現世で生きている」(心を高める)のだということ。これだけで十分に感じた。

「事業で成功する、学問で博士号を取る、組織で高い地位に就くなどということはあまり価値がない」(それは言い過ぎかも知れないが、少なくとも最終的な目的ではないということである)。

 

人生の目的は人間をつくること。

 

善きことを思い、善きことを行うことによって運命の流れをよき方向に変えることができるという意見は、中野信子の「運のいい人」と似たような意見だと感じた。