科学がつきとめた「運のいい人」 中野 信子

魚 の マンボウ は 一度 に 約 2 億 7000 万 個 の 卵 を 産み、 この うち 親 に なる まで 成長 できる のは 1 ~ 2 匹 。 適者生存 で 考える と「 生き残っ た 1 匹 は ほか の 2 億 6999 万 9999 個 の 卵 より 環境 に 適し て い た の だ」 となり、 運 者 生存 で 考える と「 生き残っ た 1 匹 は ほか の 2 億 6999 万 9999 個 の 卵 より 運 が よかっ た の だ」 と なる。適合 性 が あっ た と 考える のは 奇妙 で、この 1 匹 が 生き残っ た のは、 まさに、 運 が よかっ た から。 長い 時間 や、 種 全体 の 存続、 といった マクロ 的 な 視点 から みる と、 やはり 適者生存 説 は 現象 を うまく 説明するが、人間 の 一生 くらいの 短い 時間 や、 比較的 少ない 個体 数 といった 集団 の 規模 での 現象 を 観察 する と、 運 者 生存 が 当てはまる ケース が 少なくない。

運・不運 という のは、 だれ の 身 にも 公平 に 起き て い て、 その 運 を どう 生かす かに 少なくとも 人 は 主体的 に かかわっ て いける、 という のが 筆者 の 考え。

つまり、運を逃しやすい人、つかみやすい人にはそれぞれ共通の行動パターンや考え方があり、単に運がない、運に恵まれているのとは違う。

 運の本質が何かということはこの本からは理解しがたいが、運をできるだけつかむような生き方をすることが大事だということは理解できる。

すなわち、「自分を丁寧に扱うと同時に、他者を思いやる気持ちももっている。他者とともに生きることを目指している。総じて言うならよりよく生きている。」ということだ。秩序が壊れている所はさらに秩序が乱れやすい(割れ窓理論)。

ちなみにセロトニンドーパミンノルアドレナリンを分解するモノアミン酸化酵素の分解の度合いは遺伝的な個人差があり、分解の度合いが低い女性の脳は幸福を感じやすいが、あまり分解の度合いが低いと援助交際のような反社会的行動を取りやすいともいわれるそうだ。(これは遺伝的要素であり、運そのもののようにも思う)。男性の場合は攻撃的な性格になりやすいらしい。弁護士や交渉人などが向いている。自分の特性をしり、最大限に生かすことも運を呼び寄せるための条件らしい。

自分は運がいいと思い込む。
運のいいひととかかわる。
良い妄想をする。
適度なストレスをもつ。高すぎても低すぎてもパフォーマンスが下がる。
簡単にゲームから降りない。
十分に準備をするなど。