熟睡者 (Sleep, Sleep, Sleep)

タイトルからわかるように、一言でいえばよく眠りましょうということである。ただし、眠りすぎは睡眠の質が悪くて、長時間睡眠になっている可能性があり注意が必要である。まあ今までの知識で分かっていることが多いが、参考になった点もいくつかある。とにかく睡眠はあらゆる点で、体に影響を与える。心臓血管、脳(アルツハイマー)、免疫(ワクチンの抗体にも影響)、がん、腸内細菌など。

また日中できるだけ光を浴びることが大切。狩猟生活をする民族は5-7時間と意外と短い。日中太陽の光を浴び、野外で活動することが多く、毎日長距離を移動する。窓から1メートル以内にベッドがある患者は、1メートルより離れた位置にベッドが置かれた患者よりもよく眠れ、退院までに要する時間も短い。

メラトニンは眠気を強めることはできるが、睡眠の質を高めるわけではない。メラトニンに関しては、長期服用に関する影響がまだよくわかっておらず、慎重に使用すべきだが、目の見えない人や光を感知できない人はメラトニンの服用が必要となるし、うつ病統合失調症自閉症ADHDに効果があるのではないかと考えられている。抗酸化作用もあり、がんの成長も抑制するらしい。ただ、30%の人は遺伝的に体細胞内のメラトニン受容体がメラトニンに対して強く反応するため、膵臓からのインスリン分泌が低下するので、そのような人は高血糖になるかもしれない。

睡眠学習は復習なら可能。就寝前に覚えた単語を睡眠中に流すとより記憶に定着させることができる。また、記憶していた時に嗅いでいた香料を、睡眠中に嗅がせるとより記憶に定着させることができるらしい。

レム睡眠」が「創造」を生む。左右の脳が交差するとよいらしい。眼球を左右前後に動かすといいかも。アインシュタイン脳梁が発達し、ロングスリーパーであった。

見知らぬベッドで、初めて睡眠をとる人の脳の活動をMRIでみると睡眠中の脳の活動パターンが左右非対称:これは石器時代の名残の「ファーストナイト・エフェクト」ではないかと考えられている。石器時代では夜中、動物たちと同様に、片方の脳(左脳)がわずかに覚醒した状態を維持し、夜警の役割を担当した。であるから、旅行には親しんだパジャマや枕や枕カバー、香りを持っていくと違和感を覚えにくくなる。

大脳辺縁系を「衝動的な小悪魔」、前頭葉を「天使」とする例えは良い例えだと思う。