仏像の顔

TVで興福寺の仏像の話がでていたが、奈良大学の先生や学生たちのAIを用いた研究により、通常の仏像の顔の中立度は80%以上という結果であったらしい(中立という顔もどんな顔か難しい)。それに比して、阿修羅像の顔は中立度が47%で、怒りや悲しみの感情を含んでおり、より人間の表情に近いそうだ。さすが阿修羅像と呼ばれるだけのことはある。阿修羅は、如来、菩薩、明王、天部のうち天部の一尊であるから人間に一番近いのだろう。興福寺八部衆十大弟子像は乾漆像であり、粘土の上に麻布を漆で貼り合わせていく技法で、写実的に表現できるらしい。奈良時代に中国から伝わってきた技法で、当時最先端の技術であったらしいが、今では中国やベトナムに少し残っているくらいで、日本に一番残っているらしい。それにしても清盛による焼き討ちなどを逃れ、よくぞ今まで残ってくれたものである。