お金のむこうに人がいる 後半

お金で解決できるのは分配の問題だけだ。

日本がアメリカに対する貿易黒字を増やせば、生活が豊かになるのはアメリカの方だ。貿易黒字とは外国のために働くこと=将来のために「労働力の貸し」をつくること。逆に輸入が増え、「労働力の借り」を作ると将来世代に負担を残すこととなる。外国からの借金が増えると国は破綻してしまう。ただし、「借金した国」ではなくて、「働かない国」が潰れる。ギリシャの場合は国内の労働力を有効に活用できなかったために破綻した。

1500億の競技場を作っても、1500億円の効用がないなら無駄になるだけ。

過去に子どもを育てるという負担があったから、数十年後に子どもたちが働くようになり、人口バランスの恩恵を受けるようになる。子どもを「産む」という話よりも社会がどのように子育てを負担するかという話をより議論すべき。
子育ての一人当たりの負担は、「社会」的にみれば、過去の人口割合から考えると減っているが、個人「親」の負担が増えている。
少子化問題は、助け合いという経済の目的を忘れた現代社会を象徴している。地域社会の支え合いが減っているということなのだろう。

経済とは、結局「誰が働いて、誰が幸せになるのか」という話だ。