ビンの中の石、砂、水

アメリカのどこかの大学の講義で、先生がビンの中に石ころと砂と水を入れてみせて、「砂で埋めてしまっては、後から石ころを入れれない」、つまり人生は大事なことを優先すべきだというようなことを言っていた。

 たしかにその通りで正論だと思う。もちろん遅咲きということはいくらでもあるが、特に若い時にはエネルギーが通常満ち溢れているだろうから、大事なこと、大きなことに専念してエネルギーを注ぐということが大事であろう。

 一方で、少し間をおいて考えると別の見方もいろいろできるのではないかと思った。石ころと砂と水分の構成は人それぞれであり、他人の人生と比べてどうのこうのいえるものでもない。砂や水分に相当する潤滑油も、人生を一杯にするためには必要なものであるということだ。でかい石ころを入れれることはすばらしいことには違いないが、全部砂の人生が必ずしもダメだということはないと思う(負け犬の遠吠えにも聞こえなくもないが)。要は自分が満足するようにビンを一杯にした人生にすることだ。水分もアルコールが好きな人もいるだろうし、コーヒーあるいは抹茶が好きな人もいるだろう。汚く濁らない程度にカラフルなのも良いかもしれない。